COLLABORATION ALBUM
Portmanteau: Portmanteau
[Bic River BIC-0001]
Ototoy
Amazon.co.jp
(6/26-)
01. By This River
02. Compressed Carbon
03. Cave Hymn
04. The New Man
05. Jenny the Aviarist
06. Heaven's Above
07. Orgel 2913
08. Toast to my Shadows
09. Maria in Musical Box
10. Kodaphone Opera
11. Seashell and Quaoar
12. Orgel 3038
13. Patterning
(Producers:
Toshiyuki Yasuda,
Tatsuji Kimura,
Morgan Fisher)
アンビエントでありながらアンビエントに囚われていない、
イメージ豊かに静謐な中にもオーガニックで微熱を帯びた現代の電子音集。
dip in the poolの木村達司を中心にモーガン・フィッシャー、安田寿之というそれぞれ異なる活動を展開している3人が、「アンビエント」という言葉をキーワードに、彼らがイメージする「アンビエント」をそれぞれが制作し、曲によってはコラボレーションという形で1枚のアルバムにコンパイル。ゲスト・ボーカルに甲田益也子(dip in the pool)、本田みちよ(OVERROCKET)を迎え、アンビエント、エレクトロ、ヒーリング、民族音楽など、様々なエッセンスが絶妙にブレンドされた、2013年のアンビエントミュージックの一つの形がここに誕生。
木村達司 (dip in the pool)
ファッションモデルとしてカリスマ的な人気のあったボーカルの甲田益也子と共に1983年にdip in the poolを結成。独特な音楽センスとファッショナブルなヴィジュアルが話題を呼び、1985年、イギリスはラフ・トレード・レコード、ヨーロッパほかではヴァージン・レコード、日本ではアルファ・ムーン・レコードよりデビュー。以来、dip in the poolのサウンドメーカーとしては繊細且つ大胆なトラックと透明感のある甲田益也子のボーカルのマッチングによる浮遊感のある ONE AND ONLY のスタイルをブレる事無く貫き続けつつ、CMや映像音楽も多数手がけている。
Morgan Fisher
16歳で始めたアマチュアバンド「ラブ・アフェアー」でデビュー。リリースしたシングルが全英No.1を獲得し、18歳の若さでトップアーティストに。その後はデビット・ボウイがプロデュースしたモット・ザ・フープルの全米ツアーに参加、その後メンバーとなる。1982年にはクイーンのヨーロッパ・ツアーに、サポート・キーボーディストとして参加。日本に移り住んでからは、Yoko Ono, THE BOOM、喜納昌吉、細野晴臣など多くの日本人アーティストと共演。さらに環境音楽のアルバムからCM音楽、アート系ビデオ、映画音楽と幅広く国内外で活躍中。
安田寿之
電子音楽をベースにジャンルレスに活動する音楽家。元FPM。ROBO*BRAZILEIRAとしてブラジル音楽を歌う等ユニークなソロ活動を主体に、Towa Tei、Atom Heart、Clare and The Reasons、Fernanda Takai 等、ジャンル問わず共作・共演。CM、中野裕之、篠山紀信、桑原茂一等への音楽提供も多数。「
Red Hot + Rio 2」に、Beck、Caetano Veloso、Bebel Gilberto、David Byrne 等と共に、Red Hotシリーズ17作で初めて日本から参加。
MEGADOLLYレーベル代表として新しい形の「音楽のソーシャル・ハブ」になるべく、直接配信契約するiTunes Store で多様なアーティスト作品を全世界発表。常に、既成概念を打破する新しい音楽の公表方法を模索/実施している。2013年には、1点物の音楽作品と写真を組み合わせた「
音楽家の写真展」を行い、広告業界など他業種から注目を集める。出展作は完売し、これからの自由な発表方法の提示に成功した。
(Port. Man. Toe.)
01. By This River
Music and lyrics by Brian Eno, Dieter Moebius and Hans-Joachim Roedelius
Vocals by
Miyako Koda (dip in the pool)
Backing vocals by
Michiyo Honda (OVERROCKET)
All other tracks and mix by Toshiyuki Yasuda
いつかカバーしようと思っていたブライアン・イーノの名曲を、今回取り上げた。シンプルな曲なので幅広くアレンジされているけど、僕が目指したのは声を中心にバッキングをつくる賛美歌のような雰囲気。かつ、エレクトリックな空気感も出すため、声を一音一音サンプリングしてプログラムすることも考えた。それらどちらも満たすのは本田みちよさんしか居ない、とコーラスを依頼。メインヴォーカルは、最初から甲田益也子さんが頭にあった。短い元曲だが、後半部分でメロディをつくりオルガン(洞窟の中で鳴っているような)などでコーダに。何となくアルバム後半に収録されるかと思っていたら(「Before and After Science」に倣い)、意外に1曲目になった。
光栄なことに、作者の一人であるHans-Joachim Roedelius氏から「とてもいいね。この「川」は好きだな!」とメッセージをいただいた。Morganさんは、氏と共作アルバム「
Neverless」を作るなど友人である。(安田寿之)
02. Compressed Carbon
Music by Tatsuji Kimura
MIDI piano by Morgan Fisher
All other tracks by Tatsuji Kimura
Mix by Keiji Matsui at
echo and cloud studio
今回のアルバムの為に最初に書いた曲。普段は頭の中である程度まで作ってからコンピュータと鍵盤に向かうのだが、この曲は「ロマンチックで切ないピアノ曲」というお題のみで何の準備もせずに鍵盤に向かって20分くらいで作った、僕としては珍しいケース。手弾きの緩い感じが欲しかったので、譜面を送ってモーガンに弾いてもらったデータを再エディットして完成。(木村達司)
03. Cave Hymn
Music by Toshiyuki Yasuda
Shifted glockenspiel and loops by Tatsuji Kimura
All other tracks and mix by Toshiyuki Yasuda
1曲目にも使用した「洞窟で鳴っているようなオルガン」とピアノ(制作中の次作ソロアルバム用に録っていたソロパート)を、気持ちいい即興曲にできればと組み合わせた。浮遊感のあるキラキラ音と軽やかなリズムは木村さんにご提供いただいたものをプログラム。(安田寿之)
04. The New Man
Music and lyrics by Morgan Fisher
All vocals, instruments and mix by Morgan Fisher
*Featuring a
Milltone drum
僕は新しい楽器を手に入れると、ソレを使って作る曲のアイデアが直ぐに思い浮かぶ。今回のミルトン・ドラムという面白い手作りのパーカッションは、太古からの美しい響きを持っている。ミルトン・ドラムを演奏録音してみると、数年前に書いた歌のメロディと組み合わせるのが良いと思えた。歌を録音後、声をどこか太古から響く感じに加工してみた。我々が世界に存在する様々な問題を克服し、安らぎを得るために必要な人類共通の太古からの智慧を伝えてくれるようなイメージに。(Morgan Fisher)
05. Jenny the Aviarist
Music by Morgan Fisher
All tracks and mix by Morgan Fisher
*Featuring a 1950’s Ondioline (made by George Jenny)
ジェニーとは通常女性の名前であるが、この曲タイトルのジェニーはGeorges Jenny氏というフランス人男性の名前。彼は、1941年にOndiolineという世界初のシンセサイザーを発明した人物。Ondiolineは真空管を使ったとても暖かい音が特徴で、僕はそれの後発のモデル(1950年くらい、自分が生まれた頃に出来た)を持っている。Ondiolineで数トラックを重ね録りした後、鳥の歌を入れるアイデアが浮かんだ。きっとGeorges Jenny氏も、パリのどこかの大きな鳥の園で鳥達と演奏を楽しんだのではないだろうか。(Morgan Fisher)
06. Heaven's Above
Music by Tatsuji Kimura, lyrics by Miyako Koda
Vocals by
Miyako Koda
Riverrun pad and Melodica by Toshiyuki Yasuda
All other tracks by Tatsuji Kimura
Mix by Keiji Matsui at
echo and cloud studio
*This song was originally written for
Mic*Itaya's album "Angel" (1993)
安田くんの希望でイーノのBy This Riverを甲田さんに歌ってもらうことにした際に「歌モノ一曲だけだと浮くねぇ」ということで3曲くらい甲田さんに参加してもらうことにし、真っ先に浮かんだのがこの曲のリテイク。1993年にミック・イタヤさんが画集と共に世に出したAngelというCDにdip in the poolとして提供した曲で、原曲もアンビエントテイストだったものを今の気分で再録。歌以外に人の気配がするトラックが欲しかったので、安田くんにメロディカを吹いてもらった。(木村達司)
07. Orgel 2913
Music by Toshiyuki Yasuda
__for_you_to.app (programmed by
ondomusic.com), Thumb Piano (crafted by
Sage), sinesynth and mix by Toshiyuki Yasuda
自動演奏するピアノアプリ、即興演奏をマイク録りしたカリンバ、テノリオン的なiPhoneアプリのsinesynthを組み合わせた、未来のオルゴールのような曲。人間が誰も居なくなってもエラーでオルゴールが巻かれ鳴り続ける近未来SF映画のようなイメージ。実は、12曲目と一繋ぎの長い曲だったが、Morganさんに「ここで半分にすれば?」とご提案いただき、分割した。今回、音楽的な部分に加えてこういう客観性も大先輩から学ぶ部分だった。(安田寿之)
08. Toast to my Shadows
Music by Tatsuji Kimura, lyrics by Miyako Koda
Vocals by
Miyako Koda
All tracks by Tatsuji Kimura
Mix by Keiji Matsui at
echo and cloud studio
*All the piano parts were originally recorded for dip in the pool's song "a bridge to the rings of the Saturn"
甲田さんの歌で普段のように曲を作るとdip in the poolになっちゃうので、この曲は以前全く別の曲の為に(アルバム「brown eyes」に収録したa bridge to the rings of the Saturn)録音された生ピアノを切り貼りしたトラックを作り、それにメロディを乗せて、、、という手法で作った。具体的にはサビとブリッジのピアノトラックがまず出来てメロディを書き、そこから他のメロディを発展させ、それに合うピアノパーツを嵌め込む、といった具合。最終形に落ち着くまで何転もしていて、実は歌を取ってからコードを変えたりもしている。(木村達司)
09. Maria in Musical Box
Music by Tatsuji Kimura
Voice samples by Morgan Fisher
All other tracks by Tatsuji Kimura
Mix by Keiji Matsui at
echo and cloud studio
今回のアルバム制作にあたって「このくらいがギリギリのポップ加減かな?」みたいな一つの基準として作った曲。「多分クールな曲が多くなるだろう」という読みもあって、少々可愛いものを意識。これも普段とは違う作り方をしていて、ほぼ無作為に女性と男性のボーカルサンプルをDAWのオーディオトラックにポンと置いて、そこから色々膨らまして作った。後に、男性ボーカルのサンプルをモーガンに歌ってもらった。(木村達司)
10. Kodaphone Opera
Music by Morgan Fisher
Voice samples by
Miyako Koda
All other tracks and mix by Morgan Fisher
素晴らしく、神秘的な声を持つ友人、甲田益也子さんの声をサンプリングし、それを使ってまるで生きていて呼吸してでもいるかような鍵盤を"演奏"したのはとても楽しかった。タイトルに含まれる“phone”という単語は、電話機(telephone)、拡声器(megaphone)、サックス(saxophone)のように音を発する機器を表すので、甲田さんの声を発するキーボードをKodaphoneと名付けた。この曲のベースになっている部分はカセットテープにアイデアスケッチとして保存していたものをそのまま使っている。そのある種lo-fiな質感がKodaphoneによる甲田さんの人工的な"歌"と良い感じに融合していると思う。(Morgan Fisher)
11. Seashell and Quaoar
Music and lyrics by Toshiyuki Yasuda
Vocals by
Robo*Brazileira
All other tracks and mix by Toshiyuki Yasuda
「GeoSonix」という画像から音を生成するアプリケーションを使いつくったベースライン(頭で考えてはなかなかできないフレーズ)を土台に、僕の歌手エイリアス「Robo*Brazileira」が歌うメロディをつくった。シンセリフは少しクラフトワークのイメージも。貝殻を放り投げたらクワオアー(太陽系外縁天体の一つ)になる、という空想は「2001年宇宙の旅」のようでもあり。(安田寿之)
12. Orgel 3038
Music by Toshiyuki Yasuda
__for_you_to.app (programmed by
ondomusic.com), Thumb Piano (crafted by
Sage), sinesynth and mix by Toshiyuki Yasuda
7曲目から続く「未来のオルゴール」の後半。何となくこの3つの楽器(ピアノ、カリンバ、サイン波)を選んだが、不思議にかみ合う音色群だった。無人の中で機械仕掛けの音が鳴り続けるイメージですが、あと1000年経ってもちゃんと人類が生き残っていますように..。(安田寿之)
13. Patterning
Music by Morgan Fisher
All tracks and mix by Morgan Fisher
Phillip Bimsteinというアメリカ人の友人がいる。彼は素晴らしいミニマル・アメリカーナ・ミュージックの作曲家で、今風なデジタル・サンプリングとフォークを融合させるという面白い手法を用いている。彼のサンプリングのスタイルはとても有機的で、動物の声、ネイティブ・アメリカンの声や歌、あるいは卓球の音、、、etc。この曲では彼の手法にインスパイアされて、ナイフの刃の部分をテーブル上に固定して柄の部分を震わせた音をサンプリングした。学生時代のランチタイムに教師への意地悪としてよくやったものだ!そのサンプリング音と幾つかのエレピのループが基本になっているのだが、エレピのループは “Morgan’s Organ”と題して東京のSuperdeluxeに於いて2003~2013年の間に100回行ったライブ・パフォーマンスの音源から使っている。(Morgan Fisher)